2026年01月06日
【インタビュー】kahogo. × andart315
今回は関東を中心に活動されているandart315 マルヤマアキコ さんへ作家活動のきっかけやkahogoとの出会い、今後の活動についてお話を伺いました。
【andart315 マルヤマアキコ さんプロフィール】
東京都出身横浜市在住。
グラフィックデザイナー兼アーティスト。
安らぎや安堵を感じマインドリセットできるようなARTを制作しており、グループ展、アートイベントなどの展示で活動しております。
作家インタビュー / andart315 マルヤマアキコ
作家として歩み始めたきっかけや、表現を仕事にしようと思った原点について教えてください。
作家活動を始めたのは、ちょうどコロナ禍のタイミングでした。
もともとグラフィックデザインの仕事をしていて、在宅でMacに向かう時間が一気に増え、仕事も趣味も常に「画面を見続ける生活」になっていたんです。体にも心にも良くないな、と感じて。
「何か他にできることはないかな」とネットで調べる中で、公募という形で表現できる場があることを知りました。
最初はどのように制作を始めたのでしょうか?
最初はデジタルで応募できるものを中心に探していましたが、その中に絵画の公募もあって、「昔、絵の具を使っていたし、やってみようかな」と思ったのがきっかけです。
本格的に始めたのは2020年の秋頃。誰かに教わる環境でもなかったので、海外のYouTube動画を見ながら試行錯誤を重ねていました。ただ、使っている絵の具の種類や水分量、環境の違いもあって、なかなか思った通りにはいかなくて。「これでいいのかな」と迷いながら続けていて、作品として形になったと実感できるようになったのは、2021年に入ってからだったと思います。
作品のサイズが大きくなり、絵の具を大量に流し込むようになると、丸いキャンバスは布の張りがどうしても緩く、絵の具が中央に寄ってしまって。「これは合っていないな」と感じて調べる中で、木製パネルの存在を知り、
そこから少しずつ木のパネルへとシフトしていきました。制作しながら、自分の作品に合う形を見つけていった、という感覚に近いです。現在は木片に直接描く作品も制作しています。
幼少期に画材に触れる環境があったことや、基礎を学んだ経験があったことは大きかったと思います。デジタルの仕事からアナログの絵の具に戻ることへのハードルは、意外と低かったのかなと思います。
独学で制作を続けられて今の形になったということですが、これまでや今後も作品を作る上でどんなことを大事にしていますか?
作品を制作する上で大切にしているのは、生命が持つ強さや確かさを、素直に感じ取れることです。
作家活動を始めたコロナ禍で引っ越しをして、初めて庭のある暮らしになりました。
夫が植物を育てているのですが、人の生活が大きく制限され、不安が広がる中でも、植物は毎年変わらず芽吹き、花を咲かせていく。その姿を見たとき、「生きる」ということの揺るがなさに心を打たれました。
制作では、絵の具が偶然に広がっていく動きと、息を吹きかけたり、手を加えたりする人為的な行為を重ねています。すべてをコントロールするのではなく、偶然に身を委ねながらそっと手を添える。その関係性の中に、もともと持っているもの(DNA)と、外部からの働きかけや環境によって、生命が育まれていく過程を重ねています。
作品を通して、見る人の心にも静かな力が届いたら嬉しいです。
「andart315」という作家名について、由来や想いなどがございましたら、教えてください。
「andart315」には実は二つの意味が込められています。
一つ目は「& ART最高!=アート最高!」という語呂合わせです。制作活動を始めた頃、「アート思考」という概念を聞く事が多かった時期で色々と小難しい解釈がされていたのですが、私の中では「まずは手を動かせ」という事だなと着地した事で、制作に対するポリシーにしようと思って名付けました。
二つ目は偶然ですが、子供の名前にA/R/Tの文字があり、誕生日が3月15日である事です。
出産前に働いていた会社が今で言う暗めの部類で、「出産=退職」という会社でした。仕事内容は自分にとても合っていて、同僚も素敵な方ばかりだったので退職することに対してとても悲しく、でもハードな職場だったので産後育児をしながら働くのも厳しいかなとモヤモヤしたまま迎えた最後日に「生まれてくるこの子と一緒に見る新しい世界を楽しく生きていきます」と挨拶をしてやっとスッキリした想いが「andart315」に込められています。
作家活動を続けていく中、kahogo projectの公募へ参加したきっかけはなんですか?
公募の機会を探している中でこのプロジェクトを見つけました。ちょうど公募デザインのパッケージが丸い形で、当時自分も丸いキャンバスで制作していたので、強い親和性を感じたんです。「この形のまま作品がパッケージになるんだ」とイメージできて、自然と応募しようと思いました。
以前、kahogo作家さんが集まる交流会にも参加いただきましたが、どうでしたか?
作家活動を始めた当初はとても孤独で、周りにアーティストの知り合いもほとんどいませんでした。展示会や公募の情報はSNSで調べられるものの、情報が多すぎて「どれが自分に合っているのか」が分からず、手探りの状態だったと思います。そんな中で交流会に参加し、他の作家さんと直接話し、つながりを持てたことはとても嬉しい経験でした。実際にどのような展示に出てきたのか、どこで画材等を調達しているのかといった具体的な話を聞けたことは、今後の活動を考える上で大きなヒントになりました。
同じ作家同士だからこそ、簡単には共有できない情報や距離感の難しさもありますが、それでも顔を合わせて言葉を交わせる関係ができたこと自体が心強いです。知り合えた作家さんとは、お互いの展示会を観に行くなど今でも仲良くさせていただいております。
これまで、何度か個展やPOPUPのイベントでご一緒させていただきました。
何か印象に残っていることはございますか?
やはりワークショップは作家活動で初めての挑戦だったので印象に残っています。これまでワークショップは、自分の中でかなりハードルが高いと感じていて‥。絵の具で周りを汚してしまわないか、作品を乾かす場所はどうするのか。スタジオを構えて活動されている方も多い中で、「今さら自分が始めることではないのでは」と思っていたんです。やりたい気持ちはあって、周囲からも「やってみたら」と声をかけていただいていたのですが、なかなか踏み出せずにいました。
そんな中で背中を押していただき、初めて実現できたワークショップで、実際に見本で絵の具を流した瞬間、お客様から「わあ!」と反応をいただけた時の感動は忘れられません。思わず涙が出そうになるほどで、「本当にやってよかった」と感じました。準備や片付け、参加者さまのサポートまで手伝ってくださり、一人では実現が難しいこともkahogoさんの支えがあって実現することができました。
その後、11月の個展でもワークショップを行い、合計6名の方に体験していただきました。以前の展示に来てくださった方が再び足を運び、新しいご縁を連れてきてくださったことも、とても印象に残っています。その時は、初回とはまた違う技法を使ったものも試したりして…。ワークショップに踏み出すきっかけをいただけた事が、自信やさらなる挑戦に繋がったと改めて実感しました。
今後の活動について、目標や実現したいことはありますか?
最近は大きな展示にも参加し、他のアーティストやレビュアーの方と話す機会も増えてきました。まだまだ試したいこと、深めたいことがたくさんあります。焦らず、一つひとつクオリティを大切にしながら、発表の場も少しずつ広げていけたらと思っています。
kahogo. × andart315
Amulet 1
kahogo. × andart315
Amulet 2
kahogo. × andart315
ibuki 1
kahogo. × andart315
ibuki 2
kahogo. × kocoron.∞
S_Floral Reverie【花の夢想】
kahogo. × andart315
S_Waking up the wind flower【風花の目覚め】