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2025年12月29日

【インタビュー】kahogo. × kocoron.∞

今回は関西を中心に活動されているkocoron.∞さんへ作家活動のきっかけやkahogoとの出会い、今後の活動についてお話を伺いました。

kocoron.∞さんプロフィール】

関西在住・アーティスト
「こんな絵本があったならどんなお話なんだろね」や「うちの子も絵本の主人公」作品はアクリル絵の具、水彩色鉛筆等の画材で描きます。

手のひらサイズのclayart (粘土作品) Otete animalと共に優しい世界観を展開中。
毎月ドッグカフェにてartday(公開制作等)年に数回個展も開催しています。

作家インタビュー /  kocoron.

作家として歩み始めたきっかけや、表現を仕事にしようと思った原点について教えてください。

活動を始めたのはコロナ禍の前です。地元で開かれていたイベントに、友人に誘われて初めて人前に作品を出したのがきっかけです。
サンタさんのクレイアートのとなりに絵もかけていたんですけど、お客様の一人から「その絵は欲しい」と言われ。
『もっと絵をみていただきたいな』と思うようになりました。

そこからどのようにスタートされたんですか?

最初は、水彩や色鉛筆だけで描いていました。
コロナ禍の頃、SNSで画材をプレゼントする企画に当選し、コピックやアクリル絵の具に加えて水彩色鉛筆も手にしました。
色を重ねる楽しさを知り、表現の世界が一気に広がりました。

アクリルを使うようになってからはキャンバス作品も増え、少しずつ今のスタイルが形になっていきました。
初めて個展を開いたのは、自分の誕生日でした。
「変わらなきゃ」という気持ちから思い切って決めた展示で、会場にはアクリル画とクレイアートの両方を並べました。
展示会場は二部屋あり、そのうち一つの部屋で私は作品を制作しながら来場者を迎えていました。
知り合いを通じて会場が決まり、初めて自分の表現を複数の形で、しっかりと見ていただく場になりました。
その部屋では、作品を見た方同士でストーリーが自然と広がり、笑顔ややさしい笑い声が制作している私のところまで届いてくることもありました。
そのあたたかな時間は、今も心に残っています。
また、作品の前で静かに涙を流される来場者の方もいらっしゃいました。
作品を通してご自身の心と向き合い、胸の奥にしまっていた想いにそっと触れられたようでした。
笑い声と静かな涙、そのどちらもが同じ空間にあることに、アートが人の心に寄り添う力を強く感じました。
この体験をきっかけに、描くことや形にすること、そして言葉を通して、人の心に寄り添う表現を続けていきたいと思うようになりました。
その想いが、今の作家活動へとつながっています。

 kocoron.∞ という作家名はいつ頃からですか?

人前に作品を出そうと決めた日から、「kocoron.∞」という作家名で活動を始めました。
「心」という言葉を選んだのは、心の中を大切にして生きていきたいと思ったからです。
この先も、その想いは変わらないと感じています。
揺れや変化をまるごと受け入れながら、今を大切に生きられたら――そんな願いがあります。

この想いは、自分だけに向けたものではありません。
作品を見てくださる方それぞれの心の中にも、感じ方や受け取り方から生まれる物語があります。
その人が感じたこと、その人の心のストーリーも大切にしてほしい。
作品が小さな贈り物となり、さまざまな発見や化学反応を楽しんでもらえたら嬉しいです。
そして、その想いが誰かに手渡され、また別の誰かの心に広がっていく――そんなやさしい循環が生まれたら素敵だなと思っています。

また、「心」はローマ字にすると「Kokoro」と「Cocoro」、二通りの綴りがあります。
その両方を取り入れ、変化し続ける心の中(こころん中)を表現したいと考えました。
「中」を省いたのは、外側の建前を一度手放し、自分の内側にある揺れや変化にも目を向けたいという思いからです。
そのすべてを、まるごと大切にしたい――そんな想いで自分も大切な人も大事にしながら、優しい世界を永遠に生きていけたら。このような願いを込めて、作家名の最後に無限マークを添えました。
大人になると、「もう少し様子を見てから」「今じゃないかも」と、心の中に生まれた変化から起こす行動を止めてしまいがちです。
私自身もそうでした。 初めての個展に踏み出すまで、「まだ早いかもしれない」と心の中で足踏みしていた時期がありましたが、勇気を出して一歩踏み出してみると、作品の前で立ち止まり、心を動かされ、購入してくださる方の姿がありました。
その光景を目の当たりにして、行動してみて初めて見える景色があるのだと感じました。
この経験を通して、可能性を広げるのも、潰してしまうのも、結局は自分次第なのだと学びました。

kocoron.∞さんが kahogo projectの公募に応募してくださったときは、project自体まだまだ駆け出しだったと思うのですが‥。

なにで見つけてくださったのでしょうか?

色々自分が挑戦できる場所や機会を調べていて…。kahogoさんのプロジェクトが私には光って見えました。(笑)
自分一人では連れていけないところまで、kahogoさんが連れて行ってくれる。とても有難いことでしたし、ご縁を感じました。
それまでの活動も、決して一人の力だけで成しえたものではありません。
作品を見て心を開いてくださるお客様、声をかけてくださる方、場を用意してくださる方さんとの関係性の中で、少しずつ形になっていることを経験していたので、ご縁を信じ、応募を決めました。

今年3月横浜髙島屋POPUPにて、アーティストイベントとしてkocoron.∞さんの個展や似顔絵ペイントを開催させていただきました。
毎日在廊していただきましたが、実際に売場に立ってみていかがでしたか。

作品をきっかけに自然と会話が生まれ、深い時間が流れていきました。
涙を流しながら作品を受け取る方、「また来るね」と親戚みたいに声をかけてくださる方もいて。
あの時間は、忘れられないですね。
ペットとの思い出、大切な家族との別れ、これまで誰にも話せなかった気持ちを打ち明けてくださる方も多く、やっぱりアートには人の心を開く力があると思いました。

中には、人と動物の作品が欲しいとの声もありましたが、人だと、どうしても感情移入しづらい場合があると思っていて。
動物なら、そこに自分の気持ちを重ねやすい。
実は、子どもの頃、家にたくさんあった絵本も動物が主人公ばかりで、私はそこに自分を重ねていました。見る人が自分自身の感情や物語を重ねられる余白を大切にしています。

朝から晩までkocoron.∞さんの周りには人が集まっていて、お客様もkocoron.∞さんや作品との出会いを「体験して帰る」場所だった気がします。
会期後の反響はいかがでしたか?

アトリエで一人で描くだけではなく、お客様の声から生まれる物語を大切にしながら今後も制作活動を続けていきたいと思っているので、やっぱりお客様と交流する機会や時間は大切ですよね。
展示されている作品が「物語としてつながっている」と気づいてくださる方も多くて、「忘れられない」「どうしても贈りたい人がいる」といった連絡や追加オーダーが続き、作品がその場限りではなく、人生の一部として受け取られていることを実感しました。
「本にしてほしい」「ポストカードが欲しい」という声をたくさんいただき、最近、ZINE制作のイベントに参加して、1ページずつが原画になって、展示もできるような形がいいなと具体的に考えるようになりました。
高島屋での展示で、作品の流れを見ていただけたことが、背中を押してくれたと思います。
日常の中でそっと寄り添うカードを作りたいんです。
「甘えていいよ」とか「今日はそっとしておいて」とか、心の状態に合わせて選べるようなもの。
毎朝1枚引いて、少し勇気をもらえる存在になれたらうれしいですね。

今後の活動について、目標や実現したいことはありますか?

可能性があるなら、何でもやりたいです。
対面も、ワークショップも、作品を届けることも。
でも軸はずっと同じ。「心の中のことを大事にする」。自分も、大切な人も。弱い日があっても、オールオッケー。
それだけは、一生ブレないと思います。
ZINEやカードなど、日常に寄り添う形の作品制作にも挑戦したいと思っています。
毎日を頑張る中で、ふと心が整う瞬間を届けられる存在でありたい。
形やジャンルに縛られず、可能性があれば柔軟に挑戦し続けていくことが目標です。

【kocoron.∞さんよりメッセージ】

心はいつも強くいられるわけではありません。
揺れたり、立ち止まったり、弱くなる日があってもいいと思っています。
大切なのは、どんな状態の自分も否定せず、受け入れてあげること。
私の作品が、誰かにとって「このままでいい」と感じられる小さなきっかけになれたら嬉しいです。
うまくいかない経験も、遠回りした時間も、すべてがその人だけの物語。
これからも心の中の声を大切にしながら、皆さんと一緒に、あたたかな時間や物語を紡いでいけたらと思っています。

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